・ものすごく素朴な疑問
紅白の公式サイトでも歌の終わりに出るテロップでも、サブタイトルは「消え逝く武士への鎮魂歌」になっているのに、歌のOPに出た曲タイトルだけ「消え逝く武士『たち』への鎮魂歌」となっていたんだけれども……、
正しいタイトルはどっちだ!? 一応、DVDレコのデータには「武士たち」でタイトルつけておいたんだけど。
・101スタジオ
セリフが非常にシャープにはっきり聞こえた代わり、いざ歌に入ったら歌詞が膨らみなくてエッジ鋭く、逆にメロディはぼやけるという乖離現象が起こってしまっていたんだけども。そして演奏は割れまくり。まるで変にサラウンドかかってるかのような。
101スタジオって、もしかしてトーク専用なのかな。
と思って調べてみたら、MJでも使ってるスタジオだと判明。そっか、MJで感じてた違和感はただの気のせいじゃなくて、このためだったのか……。それでも他局の音楽番組より数段マシだけど。
やはりMJはNHKホール収録に限ると改めて確信。
・レールカメラ
『我こそは……毘沙門天なり!』のキメ台詞の『……』の部分で、カメラがレールの上を走ってるコロコロ音が聞こえます。
・タイトルの背景に龍
イントロで表示される曲タイトルをよく見ると、炎のアニメの後龍の背景を形作っています。
・文字の形
OPに出る曲タイトル、および歌詞テロップがゴシックではなく明朝体(?)になっています。
・ステージにも進撃の合図
ステージの床にも懸かり乱れ龍の文字が。
・演奏者も鎧
ステージで演奏している人たちも鎧兜を身につけています。どうやら舞台に上がっているのは一軍の将クラスらしく、鎧兜も足軽より豪華なものになっているようです。
・スタッフも鎧
『強く抱きしめて』~『夢から』のところで、足軽隊の一群に混じってADらしき人(足軽隊の足元で蹲っている人)とカメラマン(足軽隊集団の一番右側でカメラ構えている人、映るのは一瞬だけなので判り難い)が映っていますが、二人とも足軽隊と同じ鎧姿という徹底振り。カメラマンはもしかしたら、兜も被っているかもしれません。
・大河とPVとご本人と
紅白のステージに立った政虎―――番組内では『上杉謙信』と呼ばれていましたが、紅白での出で立ちは出家前、即ち『謙信』と号する前のものなので―――の姿は、大河のそれとは若干異なっています。
大河の時にはなかったあの深い緋色のマントは、恐らくRETURNER PVで身に着けていたものと同一と思われます。
また、大河の時と違って青色のコンタクトを着用しているようです。
以上のことから紅白政虎は、大河政虎にリターナーPVの武将と素のG@ckt氏(←検索避け)が加わった、あの時だけの『特別な一人』だったのかもしれません。
・リアルタイム進行
LIVEの文字が出てすら、録画かと思うほどのほぼ完璧な仕上がり。
「出陣じゃ!」でカメラがブレたのと、最後の決めセリフのところでレール音が聞こえたのがライブっぽいハプニングを表していたくらいで、あとは完璧。
ステージ上のアーティストもエキストラもカメラマン(最後の決めセリフの後、画面がロングになった時に最前に出ている)もADらしき人(「夢から~」で兵士達の足元でしゃがんでた人)も風林火山画像のカットイン担当した人もその他スタッフも、まさに一丸となって作り上げたからこそ、これほど完璧な作品に仕上がってきたのだと思う。
しかもこれに、実際ご本人が大河ドラマに出て、その役を演じてきた重み、そこで積み重ねられてきた物語の重み、撮り重ねられてきた映像の重み、そして何より、このドラマに関わった人々が物語や役柄に託してきたたくさんの思いが加わるのだから尚更。
並の人間ならその重みに恐れをなして事前逃亡するところを、何もかもひっくるめてしっかりと受け止め、しかもあそこまで昇華したのは本当に凄い。
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・歌
Aメロは生歌、Bメロファルセット(裏声部)は恐らく口パク、サビはカブセ。
サビもカブセなしで聞きたかった……それほど厚くは被さっていないので一応生歌聞こえるんだけど、せっかくのサビ部ファルセットがカブセの音に埋もれてしまってorz でもかぶせないと今度は音に厚みと迫力がなくなり、喊声に負けてしまうから仕方ないのかも。カブセ自体は他の音楽番組でもよく使われる手法だし。
「ステージ上にあるのとは別のマイクで、演奏音と一緒に拾ってるのか?」という考えが過ぎったほど歌声が小さかったのは多分、大掛かりなセットを組んだために音響の統制が取りにくくなり、マイク音量絞って音割れを防いだものと思われ。ファルセットをCD任せにしたのも多分、同じ理由。おかげで歌がふつうに綺麗に聞こえました。
以前、BShiと同じ音源のものを地上波で聞いたら、普通に綺麗だったBShiに比べ地上波の方は割れ割れになっていたことがあったので、MJもきっとそんなもんだろうと思っていたんですが……、どうやら音割れするスタジオみたいですね101。
この記事で書いた上がり切っていない音はAメロ『探して』の『て』、力みすぎて若干外してるのは最初のサビ『壊れるほど~』の『こ』の出だし。
いつも音外してるアーがどんなに大きく外してもそれほど驚かないけど、CDかと思うほど完璧な歌を歌う人が微妙にでも外すと「何事!?」てな感じで気になってしまう。いつも完璧な音を聞かせてくれる高名なオケが、ほんの一音だけ微妙な音を出した時と同じで。
その理由は多分、スタジオ中に満遍なく気を配っているというか、氣を放っているから、歌の統制がいつものようには完璧にいかなかったからかも。
こういう氣の放ち方するのは、今まで見てきたJ-POPミュージシャン/アーティストの中にはいなかったような。彼らは太さに個人差あれど、ベクトルという言葉で表せる通り「線」で氣を放っているので。
でも、紅白での彼の氣の放ち方は「空間」。似ているとすれば、J-POPではなくむしろクラシック、楽団員をひとつにまとめ上げ手足のように動かして、思い描いた通りの楽曲を紡ぎあげる熟練のマエストロのそれ。
つまり、あの時の彼はまさに、個性豊かで様々な思惑をその身の内に抱え込む歴戦の将たち及び兵士たちを自分ひとりの下に束ね、将棋の駒のように自在に動かす御屋形様そのものだったのかも。
と、CD音源からの感触、および今紅白での熱の入り方に対しての音の統制具合からして「いつもはスタジオでもライヴでもほぼ完璧な歌を歌う人」と判断してみたり。ハシゴ外れてるから自信はあんまない……あの頃の耳が今でもあったならorz
とりあえず、歌声の印象からすると……、
完璧主義者とか理想主義者というより、そういう自分でやたらめったらハードル高くしてダメだダメだ言うのではなく、何ていうかもっと現実的で、「あるべき姿」とか「到達すべき地点」というのを予め決めておいてそのために下準備も念入りにしておいて、で、いざ本番という時にその水準へ持っていこうとする(近づけようとするのではなく、実際にそこまで持っていく)人、という感じ。だから、完璧な歌になるんじゃないかなと。
・演出
とにかく、凄い! の一言。これ以外言葉が出てこない。
場慣れしてるはずの中居くん&鶴瓶さんも、戦国時代の雰囲気に巻き込まれて一瞬忘我の境地に陥ってましたね。始まる前は「上杉謙信ー! おーい」なんてお気楽に呼んでた鶴瓶さんも、進行忘れて呑まれてましたし。
さすがに中居くんはすぐ立ち直ってましたが、「雰囲気変えていきましょう!」と言ったのは、今だ異次元を漂っている会場の空気を、次の歌手の方のために立て直そうとしたんじゃないでしょうか。
さださんも、紅白の次の次の次の番組で「Gackt! すごかったねー! すごい迫力だった!」と褒めまくってました(例によって「あの予算の十分の一でいいから欲しい」と自虐ギャグもかましてましたが、笑)。多分これが、あの夜の紅白出演者の素直な感想なのでしょう。
さて、残るは「今回の紅白でこれだけ大掛かりな仕掛をほどこして、一体何を表したかったのか」なんですが……、これがなかなか難しい。
生粋の表現者、本来の意味でのアーティストである彼の人が、主役となるべき歌を表現のための小道具のひとつに回してまで何を表したかったのか。
大掛かりな仕掛けで見る人を驚かせ楽しませたかったのか、景虎という役にこれで完全に幕引きをするため(見る人に)未練が残らないようやるだけのことをやったのか、ドラマを全く見なかった人にこのドラマの存在を知らせるため最後の広告塔となったのか、謙信公祭の群集の熱気をドラマの中に持ち込みたかったのか、サーヴィスとして「その後の上杉軍」を垣間見せてくれたのか、あるいは、その他もろもろひっくるめてその全てなのか。
歌や演奏からしか読み取れないヘボイモムシには計り知れぬことですがしかし、それでも自己満足とか身内満足とかではなく、もっと広い世界の、もっと多くの人々のためにこの演出を用意したんだな、ということくらいは分かりました。
とりあえずは……、
紅白を何度もリピートした後はもう、「まだまだGackt景虎見たい」とか「スピンオフで一本あったらいいのに」という気持ちは、きれいさっぱりなくなっていました。
この紅白が、本当に最後だと。
例えスピンオフ作品作ったとしても、この紅白の4分たらずの映像を越えるものは(主に演出面の問題で)出来ないのだと、それが充分すぎるほどわかりましたので。
さて。
声質がものすごい心地良いので名残惜しいのですが、そろそろお別れの時間のようです。
お礼の言葉は全て御屋形様へのメールにしたためたので、その点での心残りはありません。
またいつか、どこかで、今度は「Gackt○○」ではなく一人のミュージシャンとしての彼と邂逅出来ることを祈りつつ。
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