次に写真館が流れ着いたのは、外道衆と呼ばれる怪人達は存在するが、それを倒す筈のライダーはいない世界。
この世界ではその代わりにシンケンジャーと名乗る5人の戦士達が外道衆の送り込む魔物=アヤカシと戦い、世界の平和を守っていた。
ライダーである自分がライダーのいないこの世界で果たすべき役割を探すため、門矢 士(仮面ライダーディケイド)はシンケンジャーたちに仕える黒子の一人となって彼らの屋敷の中に潜り込む。
一方その頃、この世界のお宝の一つ・烏賊折神を盗み出した海東 大樹(仮面ライダーディエンド)は、取り戻そうと追って来た梅盛 源太(シンケンゴールド)との交戦中にアヤカシ・チノマナコの襲撃を受け、重傷を負った上に変身アイテムであるディエンドライバーまでも奪われてしまう。
ディエンドライバーの力によって強化されたチノマナコはディケイドコンプリートフォームが放ったとどめの一撃すらもかわし、ついに仮面ライダーディエンドへと変身してしまった。
ライダーがいなかった筈の世界に誕生してしまったライダー。チノマナコはライドプレートの狭間から次々とナナシたちを呼び出し、街を混乱に陥れてゆく……
―――
戦隊とのコラボ第一弾。ディケイドがシンケンジャーの世界に行ったというよりも、シンケンジャーの世界にディケイドが迷い込んで来たといった感じで、戦隊側の描写が多めな印象を受けました。
では、今回見てツボったところをいくつか。
■鳴き声もしぐさも可愛い烏賊折神&ポチたまオマージュな海東
シンケンジャーのCパートでは鳴きも動きもしなかった烏賊折神ですが、今回はきゅいきゅい鳴きまくり&ぴょこぴょこ動きまくっていました。
しかも持ち主(飼い主?)の源太がかけつけた時、きゅい? と鳴いて源太の方を振り返るというオマケ付き。かわいすぎ。
墨を吹きつけられそうになったというのに、それでもなおかつ微笑んで烏賊折神を眺めていた海東の気持ちがよくわかります(笑) 確かにあれは欲しくなる。
とそれはともかく、今回の……少なくともこの一連の流れでの海東は、海東 大樹というキャラに中の人である戸谷 公人氏ポチたまver.が混ぜ込まれているような感じがしました。
「ポチたま」
http://www.tv-tokyo.co.jp/pochitama/inbox.html?/cast/cast.html
なんでそう思ったかというと、海東が烏賊折神をかばったからです。
チノマナコの攻撃を受け、倒れる
↓
烏賊折神の入ったクーラーボックスがディエンド(=海東)の手を離れ、地面に転がる
↓
異変を感じた烏賊折神がきゅいきゅい鳴く
↓
鳴き声に気づいたチノマナコが足下のクーラーボックスへと振り向く
↓
海東、「それには触るな!」と叫んでチノマナコを撃ち、一瞬の隙をついてチノマナコの側へ走り寄りクーラーボックスを取り戻す
↓
しかしクーラーボックスの確保に神経を取られたため攻撃体勢を整えるのが間に合わず、チノマナコにディエンドライバーを取り上げられる
↓
チノマナコにディエンドライバーで銃撃され、ダメージを受けて変身解除し倒れ込む
↓
生身のまま銃口にさらされながも、自分の体を盾にしてクーラーボックスを守る
チノマナコにお宝の入ったクーラーボックスをどうかされるのが嫌なら、チノマナコが鳴き声に気を取られて視線を反らした瞬間に「今だ!」とばかりに全力で攻撃すればいいのに、実際には多少の牽制でチノマナコの注意をクーラーボックスから反らさせただけ。
クーラーボックスを取り返すにしても、チノマナコを倒すか遠くへ追いやってからゆっくり取り返せばいいのに(せっかく相手の気がクーラーボックスから逸れたことだし)わざわざ相手の懐に飛び込むような真似までして取り返しに行っている。
しかも、手元に取り戻したクーラーボックスを胸の前に抱え込むのではなく(その方が物を相手に取られ難い)、チノマナコの攻撃が当たらないよう背中にかばっている。
というように、単に「せっかく手に入れたお宝を奪われたくないだけ」というにはちょっと不可解な行動をしているのが目立ちます。この時の海東。
だから、他作品とコラボしまくっているディケイドらしく、ポチたま(テレ東だけど)オマージュが混ぜ込まれたのかなと思ったんですが……真相はイカに。
とりあえず一つ言えることは、他人を見下したり、種族で差別したりする言動が多かった初期の冷淡な海東なら、同じシチュエーションに遭遇してもこういう守り方はしなかっただろうな、ということでしょうか。
■ユウスケ大活躍
今回は久々にユウスケの活躍が多い回でした。
今回の脚本を書いている小林氏は、初期のメインライター・會川氏の設定や配役などをわりときちんと引き継いだシナリオを書かれる方のようなので、ユウスケの活躍が初期のように多いのも当然と言えば当然のことなのかもしれません。
個人的には、士とともに戦う相棒ライダーの立場にはユウスケこそが相応しいのではと思っているので、変身こそなかったものの今回の活躍・士との凸凹コンビっぷりは嬉しい限りです。
なぜユウスケが相棒ライダーに一番相応しいと思っているかというと、ユウスケには重要な謎が無く、性格も立ち位置も目的もはっきりしているからです。
まずは主人公の士。彼は過去の記憶を失っていて、自分が何者かということすら分かっていません。しかも記憶を失っているにも関わらずの優れた戦闘センス、卓越した身体能力、そして何よりも戦うことに何のためらいもない―――戦いの場に自ら首を突っ込んで行く好戦的な態度から、本来なら味方側ではなかったような雰囲気さえも漂っています。
こういう謎の多い主人公を支えるのは謎が少ないかほとんどないキャラで、なおかつ主人公を大なり小なり信頼しているキャラが相応しいのですが、本来その役目を負うべきヒロインの夏海はまず基礎となるキャラ描写がきちんと成されていない上に、ディケイドが他のライダーを惨殺する予知夢(?)を見たり、何かと言動が怪しい写真館の老人の孫という立場だったり、預言者・鳴滝から不可解な接触を受けたりと、今ひとつ足下がグラついている上に夢のせいで士を信じたいのだけれど信じきれないという描写も垣間見えます。
基本的にはスタンスがあやふやなまま物語の端っこをかすめていくだけで、士の古い知り合いを自称しながら最後の最後で士の最大の敵に回る可能性すらあることが暗示されている初期の謎だらけな海東ならなおさらのことです。
けれどユウスケは、クウガ編でその人となりが分かりやすく描写されていた上に、優しくて親しみやすい性格ゆえにすぐに士と仲良く(先輩と後輩風?)なったため、側に立っているだけで士に安定感が出てきます。
偽悪的な士に軽くいなされたり時に邪険にされたりしながらも、その内面を知るがために親身になって走り回り、感情表現が下手な士のサポート役として、または周囲との橋渡し役を買って出、戦いの場では士をバックアップし必要なら変身して共に戦う。
これこそ、まさにユウスケにしか出来ない役割だったと思うんですが……、
……どうもその座を海東に徐々に持って行かれてしまっているような。気が。
■キレた夏海
ライダーのいない世界。士のいない世界。
このキーワードで夏海がいきなりキレた理由は、理屈では分かるけれど今までの一連の流れから見ると不可解でした。
最初は「ライダーのいない世界=ディケイドが夢のとおり全ライダーを滅ぼし尽くした後の世界」という連想から(電王編でも「この世界は既に終わっていた」とか言っていたし)この世界は「終わった」世界なのかもという不安に苛まれてキレたのかと思ったんですが、それにしてはおなじみのライダー大戦のバンク(過去映像)は出てこないしおかしいなと思っていました。
その後公式サイトなどを見てみたら、どうやら「士がいない」というキーワードに反応してキレたらしいです夏海。そもそもが異世界から流れ着いた来訪者である士が、自分の目の前から突然に消えた時のことを考えてキレた、というのが真相らしいです。
その理由というのは夏海が士に想いを寄せているからなのか、士がいなくなる=写真館が移動しなくなる=自分が元いた世界に戻れなくなるからなのかは不明ですが。……ていうか、今まで夏海が士に心を許していたり、想いを寄せてるような描写ってありましたっけか……どうにも記憶にないんですがorz
もしも士に心寄せていたなら、元の世界に戻れたという安心感を否定されたからにしろ、ネガ世界で士にあんな暴言は浴びせないような気もするんですが。うーむ。
■怪しい栄次郎
栄次郎の怪しさも一段とパワーアップ。夏海が振り払って壊したクッキーを拾い集めるのに「こんなのすぐに直るからね」、さらには夏海の口調を真似て「『おじいちゃん、もっとかわいく作って』ハイハイ」……
もしかして夏海は人造人間?
「がんばれ、白髪探偵!」と言っていた人とはずいぶん違ってきています。
■呪いのディエンドライバー
今回、チノマナコが海東から変身アイテムのディエンドライバーを奪ったわけなんですが……、
最初は普通に言葉をしゃべっていたチノマナコが、奪ったディエンドライバーを使用するうちに奇妙なうめき声を上げるだけになり、体質も変化していた(水切れ制限なしで活動・変身もディエンドライバーに操られているようなぎこちない動きと声)
変身アイテムを奪われた海東が言いかけた言葉(「返せ……、それは……」と「僕の……」)
もしかしてディエンドライバーはワードナの魔除けみたいなものなんでしょうか。それを手にした者に優れた特殊効果を多々与えるけれど、ふさわしい者以外が装備すると呪われる、という。
今回の話を見る限りでは、海東はディエンドライバーから変身能力だけでなく、常人を超越した身体能力も与えられているみたいでしたし。アギト編でアマダム入りユウスケ以上の身体能力を発揮したことといい、今回の源太(シンケンイエロー)との追いかけっこでも、普通に階段上って追いかける源太と違い崖を飛び超えて逃げてましたし。
それが、ディエンドライバー取り上げられた途端―――ダメージ食らった状態だから断定は出来ないけれど―――常人並みの身体能力に戻っていた。ような。
■まとめ
コラボ企画そのものは面白い試みだなと思いましたが、ちょっとシンケンジャーのシーンが長過ぎました。
名乗りまでは良かったけれど、その後の殺陣が長かったです。ライダーの視聴者に戦隊の紹介がてらなら、同じ尺で巨大ロボ戦まで行って欲しかった。
あと、爺の腰が云々というのも要らなかったような。この辺を削ればもっと面白かったと思うんですが……、個々のシーンでは面白いところもあったけれど、全体のお話としてはイマイチでした。
でもイカちゃんは可愛かったです。海東じゃなくてもほだされますわ、ありゃ。
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